社長メッセージ

創業113
「信頼」を武器に、地域の未来を拓く

私たちは、新聞販売店の枠を超える「地域課題解決企業へ」

はじめに

老舗企業による「再創業」の宣言

今、あなたが「新聞販売店」という言葉から連想するのは、どのような姿でしょうか。

「毎朝決まった時間に、ポストへ新聞を届ける」
「雨の日も雪の日もバイクで走る、大変な仕事」
「地域に古くからある、変わらない仕事」
あるいは、「紙媒体が減っていく中で、将来はどうなるのだろう?」という疑問かもしれません。

もし、少し「静的」なイメージをお持ちだとしたら、今の私たちの姿は、その想像と大きく異なっているはずです。

株式会社信濃毎日新聞松本専売所(通称:まつせん)は、確かに新聞をお届けする会社です。
しかし、私たちが本当に届けたいものは、紙の情報そのものだけではありません。
私たちが目指しているのは、経営理念にある通り「地域と共に 暮らしを豊かに」すること。
地域に暮らす人々の「困りごと」を解決し、「こうありたい」という望みを実現する。
そのための手段として、新聞があり、広告があり、不動産があり、福祉があり、デジタルがあるのです。

デジタル化が進み、スマートフォン一つで世界中の情報が手に入る時代になりました。情報は一瞬で届きます。
しかし、その一方で失われつつあるものがあります。
それは「温度のあるつながり」です。
誰かが自分の家の前を通ってくれる安心感。
困ったときに顔を見て相談できる地元の知り合い。
そうした「リアルな接点」の価値が、今、逆説的ですがかつてないほど高まっています。

私たちは、松本市内および近郊エリアに、毎日確実にスタッフが足を運ぶという、他のどの企業にも真似できない強固なネットワーク(ラストワンマイル)を持っています。
このネットワークは今、新聞を届けるだけでなく、高齢者の見守り、福祉用具の提供、困りごとの相談窓口、地域情報のハブとしての役割など、「地域の総合生活インフラ」へと進化を遂げつつあります。

私たちは今、創業100年を超える歴史を持ちながら、既存の枠組みを壊し、新しい価値を創造する「再創業」のフェーズを迎えています。

安定したレールのその先ではなく、自分たちの手でレールを敷き、新しい社会課題の解決に挑戦したい。

そんな意欲を持つあなたにこそ、今の「まつせん」を知っていただきたいのです。

HISTORY

信頼というインフラを築いた110年

私たちの歴史は、今から1世紀以上前、大正2年(1913年)3月10日にさかのぼります。

■ 創業:情報の架け橋として

1913年、日本は近代化の真っただ中でした。ラジオもテレビもインターネットもなかった時代。
松本の地で「新聞」という新しいメディアを届けることは、単なる配達業ではなく、文明開化の息吹を伝え、民主主義の土台を支える「知のインフラ」を構築する事業でした。
創業当時の先輩たちは、舗装されていない道を走り、一軒一軒、手渡しで情報を届けていました。そこには「長野県の、そして松本の人々に、世界や地元で起きていることを正しく伝えたい」という強い使命感がありました。

■ 激動の昭和を越えて

昭和に入り、戦争という暗い時代も経験しました。紙不足や人手不足の中にあっても、新聞を待つ読者がいる限り、配達を止めることはありませんでした。「新聞が届くこと」が、日常の平和の象徴でもあったからです。
戦後、昭和39年(1964年)には法人化を果たし、「株式会社信濃毎日新聞松本専売所」としての体制を盤石なものにしました。

高度経済成長期、テレビの普及、そしてインターネットの登場。メディア環境が激変するたびに、「新聞販売店はなくなるのではないか」と言われ続けてきました。
しかし、私たちは生き残りました。なぜでしょうか。
それは、私たちが届けていたのが「紙」だけではなかったからです。
100年以上にわたる愚直な日々の配達を通じて育まれた「地域の方々との信頼関係」
これこそが、私たちの事業の本質であり、最大の資産でした。

■ 多角化への挑戦

昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わる中で、人々のライフスタイルや情報の取り方は劇的に変化しました。新聞の発行部数が減少傾向にあることは、隠しようのない事実です。
多くの企業がこの変化を「危機」と捉える中で、私たちはこれを最大の「好機」と捉えました。
なぜなら、100年かけて築いた「ラストワンマイル(お客様への最後の到達区間)」のネットワークと、地域の方々とのリアルな接点は、GAFAのような巨大IT企業でさえ持ち得ない、最強の武器だからです。

私たちはその信頼を基盤に、事業の多角化に乗り出しました。

折込チラシを扱う「中信折込センター」、住まいの相談に乗る不動産部門、文化発信の場としての「上土劇場(旧ピカデリーホール)」や「信濃ギャラリー」の運営、高齢化社会での生活を支える福祉事業部、そして地域密着型の情報紙の発行(現在はMGプレスとして発行)。
これらはすべて、「松本の街をもっと元気にしたい」「暮らしを豊かにしたい」という想いから派生した事業です。

そして現在。

私たちは110年という長い歴史のバトンを受け取り、令和という新しい時代の中で、さらに大きな変化の波に乗り、新しい時代の「お役立ち」を積み上げていこうとしています。

IDENTITY

まつせんの特長と強み

当社が掲げる理念は、「地域と共に 暮らしを豊かに」です。 この言葉には、「新聞をお届けする会社」から脱却し、「地域生活のプラットフォーム(地域課題解決業)」になるという決意が込められています。

■ 特長:圧倒的な「ラストワンマイル」と「信頼」

当社の最大の資産は、松本エリアの路地裏まで知り尽くした配達スタッフと、そのネットワークです。
大手ECサイトや宅配便でも、毎日同じスタッフが、同じ家を訪問することは稀です。しかし、私たちは違います。

  • 「あのおばあちゃん、今日は雨戸が開いていないな」
  • 「ポストに新聞が溜まっている。何かあったのかもしれない」

こうした「異変」に気づけるのは、毎日同じルートを走り、地域に溶け込んでいる私たちだけです。
この「見守り機能」は、少子高齢化が進む日本において、行政の手が届かない部分を補完する極めて重要な社会的機能です。
実際に、配達スタッフの気づきによって、屋内で倒れていた独り暮らしの高齢者の方の一命を取り留めた事例も少なくありません。私たちは、新聞という商品を介して、地域の「安心」を担保しているのです。

■ 強み:多角的な事業展開と変化を恐れない開拓精神

1. 暮らしを支える「トータルライフサポート」
新聞という「情報」を毎朝お届けする機能(デリバリー)を活かし、私たちは事業の多角化を進めています。

  • 不動産・地域情報事業
    折込チラシの制作・配布を通じた地域の魅力発信や、不動産情報媒体「おうちさがし」を発行。空き家問題や相続の相談にも乗り、地域の資産を守ります。
  • 福祉・介護事業
    超高齢社会において、誰もが安心して暮らせるよう、福祉用具のレンタルや「松本福祉センター」での居宅介護支援(ケアマネジメント)を提供しています。
  • 生活支援・物販
    新聞配達を通じた見守り活動、お客様の「自分史」制作、健康につながるボイストレーニングセミナー、新聞を活用したワークショップの開催など。また、地域の魅力あふれる物産や北海道の特産物など厳選した商品をお届けし、豊かな暮らしを支援しています。

2. 「マーケットイン」の徹底
私たちが何より大切にしているのは、「プロダクトアウト(売り手の論理)」ではなく、「マーケットイン(顧客の視点)」です。 「新聞を売るために何をするか」ではなく、「お客様は何に困っているのか?」「地域に何が足りないのか?」を問い続け、そこから逆算してサービスを生み出しています。

だからこそ、新聞購読の有無に関わらず、地域の方々から「住まいのことなら、まつせんに」「介護のことは、まつせんに」と頼られる存在を目指しているのです。

3. 業界の「砕氷艦」としての開拓精神

ある時、業界のリーダーの方から、まつせんは「南極観測船『しらせ』のようだ」と評されたことがあります。
分厚い氷を割りながら、道なき道を進み、後続のために航路を拓く。
信濃毎日新聞に加え、日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、市民タイムスなど複数の新聞を取り扱いつつ、新聞販売の枠に囚われない事業展開に力を入れているのも、すべてはこの開拓精神があるからです。

変化を恐れず、一番最初に挑戦する。それが、まつせんのDNAです。

CULTURE

働く環境とカルチャー

「自律」と「協働」。
指示待ちではなく、自ら考え行動するプロフェッショナルへ

「老舗企業だから、年功序列で保守的なのではないか?」
そう思われるかもしれませんが、社内は驚くほど変化に富んでいます。
私たちが求めているのは、指示を待つだけの「作業者」ではありません。自ら課題を見つけ、考え、行動できる「自律した人財」です。

■ 仕事とは「課題解決」である

私たちは、仕事を単なる作業とは捉えていません。「仕事=課題解決(お役立ち)」です。 営業職であれば、お客様の潜在的なニーズに気づき提案すること。事務職であれば、チームの業務効率を上げる仕組みを作ること。 一人ひとりが「誰の、どんな役に立っているか」を常に考え、行動することを求めています。 だからこそ、失敗を恐れずに「まずやってみる」精神を歓迎します。

■ 心理的安全性と「関係性の質」

挑戦には失敗がつきものです。しかし、私たちは失敗を責めることはしません。大切なのは、そこから何を学び、どう改善するかです。
組織の成長において最も重要なのは「関係性の質」です。
良いことも悪いこともオープンに話し合える、違和感を口に出せる。そんな心理的安全性の高いチームであってこそ、真の課題解決ができると考えています。
20代の若手からベテランまで、新聞営業、広告営業、不動産、福祉、各種企画イベント、デジタル推進など、異なる専門性を持つメンバーが部署の垣根を超えて連携し、チームワークで地域の課題に挑んでいます。

FUTURE

これからの展望   

情報とリアルの力で、誰もが安心して暮らせる「豊かな地域」を創る

これからの時代、AIの進化やSNSの普及により、情報はますます溢れかえります。残念ながらフェイクニュースや誤情報も混在する中で、プロの記者が裏を取り、責任を持って発信する「新聞」というメディアの価値は、これまで以上に高まっていくと確信しています。
私たちは、情報の真偽を見極める「ファクトチェック」の重要性を伝え、民主主義と地域文化の担い手としての誇りを持ち続けます。

これからの「まつせん」は、単なる新聞販売店ではありません。

アナログな配達網という最強の「リアル」と、デジタル技術を融合させ、松本平における「地域情報のプラットフォーム」となります。

  • 地域の魅力をつなぐ
    新聞や広告、デジタルメディアを通じて、地域の知られざる魅力を発掘し、発信し続けます。
  • 地域の課題を解決する
    高齢者の見守り、防災ハザードマップや行政の広報配布、子どもとデジタルメディアの関わり方に関するリテラシー支援など、行政や他企業とも連携しながら、地域が抱える社会課題に対して具体的なソリューションを提供します。
  • 多様な人財が挑戦できる企業へ
    働く一人ひとりが、自分の強みを活かし、ライフステージに合わせて柔軟に活躍できる。そんな「人財が輝く企業」を目指し、制度改革や環境整備を加速させています。

MESSAGE

未来を創るあなたへ

私たちは今、変化の真っ只中にいます。
完成された組織の歯車になるのではなく、未完成な組織を一緒に作り上げていきたい。
地域というフィールドで、自分のアイデアや行動力を試してみたい。
「ありがとう」という言葉の手触りを感じながら、誰かの人生を支える仕事がしたい。

もしあなたがそう思うなら、「まつせん」は最高の舞台になるはずです。

ここには、あなたの挑戦を全力で応援する仲間がいます。
私たちは、松本で一番「ありがとう」と言われる会社を目指しています。
朝、ポストに新聞が届く。その当たり前の日常を守りながら、その先にある「豊かな暮らし」を一緒にデザインしていきましょう。

110年の歴史は、ただの過去ではありません。
これから私たちが積み上げる未来の土台です。

次の100年を、あなたの手で、私たちと一緒に創りませんか。
あなたとお会いできる日を、心より楽しみにしています。

株式会社信濃毎日新聞松本専売所
代表取締役社長 平林正浩

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